Artists

001+ たくみの悪巧み

 

たくみの悪巧み

×

360° Sneak

 

曲名:Through The Cloud

Soprano & Alto sax 中山拓海 

Bass 勝矢匠

Key piano 高橋佑成

Drums 山田玲

 

 

天才若手サックス奏者  中山拓海に

音楽の聴き方を訊いてみた

 

最近聴いた曲で刺激を受けたことはありますか?

ありますね。名前が難しくて・・彼はまだ二十歳前後で自分とも歳が近くて衝撃を受けました。Beka Gochiashvili (ベカ・ゴチアシュヴィリ)というピアニストの方です。Stanley Clarkeのバンドで彼が弾いているのを見つけて、動画なんかやばいなと思って。彼が、”いま、音を出せる喜びに溢れて演奏をしている姿”を見て、非常に刺激を受けましたね。

 

音に惹かれる時ってどんな時ですか?

Jazzって、僕の持論なんですけど、個性がすごく大事だし誰もやったことがない、自分にしかできないことものをやっているかどうか(という思いでやっているのか)が大事だと思うんです。オリジナリティを生み出している人の演奏に惹かれますね。

 

どんな部分に注目して聴いていますか?

最近は楽器が違う(サックスではない楽器でも)ことは意識せずに、すべての楽器から音を聴こうとしていますね。楽器の機能や、音域などに縛られず、演奏者が本当に心から演奏を表現している部分をもっと聴きたいと思っています。フルートとかもテクニックがあったり、音域が近いバイオリンなども、色んなヒントが隠れていて、色んな音や表現をもっと吸収したいと思ってます。

例えば、自分の演奏するサックスという楽器は、ピアノや歌と違って、楽器の運指(指の運び方)を始めとする楽器の機能によって縛られる部分があるのですが、そういったことに縛られて演奏を制限したくないというか。それぞれの演奏者が表現を行う中で、楽器の限界をどんどん超えて、自分にしかできないことをやっていきたいと思っています。

 

特に注目して聴く楽器はありますか?

西洋音楽を作った重要な楽器であるピアノから、やはり学ぶことが多いと思います。アドリブを取る上で、ピアノは直接鍵盤が見えているので、アプローチが視覚的にも捉えられると思うのです。メカニカルなところもメロディアスなところも、視覚的に感じとることができるので、管楽器よりも自由だなと思うことがあります。その代わりに、管楽器はピッチが自由ですから 、ピアニストはそれに憧れるかもしれないですね。結局は無い物ねだりなのかもしれないですが、どちらのよさも自分のアプローチに繋げられたらと思っています。

 

 

”音”で、Jazzにときめいたエピソードはありますか?

すごいマニアックなんですけど、Ella Jane FitzgeraldLouis ArmstrongElla& Louisというアルバムがあって、多分気づいてる人は少ないんだろうけど、ある曲中に”譜面をめくる音"が入っているんです。それを聞いた時にすごくライブ感が伝わってきて、鳥肌が立ちました。今はもう亡くなってしまった偉人のアーティストだけど、その人たちの”その時代のリアル”を感じたというか。ジャズってそういう部分にリアルな瞬間や息吹きが吹きこまれていて良いなと思いますね。

 

 

演奏者だけでなく、聴き手としてもJazzを楽しむ方法はどういう部分にあると思いますか?

Jazzは一般的にオシャレなBGMとして使われていることが多いと思うのですが、空気感や雰囲気を楽しむだけでは、正直物足りないかなと思っています。Jazzは中身を楽しむことができる音楽で、最後まで聞くと面白い部分がたくさんあると思うので。耳を凝らすというか、集中して聴きながら自分の感受性を養うことが、Jazzを楽しむ方法の一つかなと思っています。

あと、聴き手の中でも音楽を聴くということに対してリスナーレベルがあると思います。例えば、音楽に対して批判的な意見を言える人って、偉大だなと思います。何が嫌いかどうかはっきり言えるのは、大きな感性だと思うし、感性というのは違いに気づくことだと思うのでそういった目利き力を持っている人がカルチャーを育てるというか、すごく大事な部分だと考えてます。

そういう意味でも、Jazzはジャズバーのマスターや、街中でいるうんちくを語っているジャズ好きのおじさんのようなコアなリスナーの存在も切り離せないと思います。プレイヤーとしては、そういう知識を持っている人にとっても楽しんでもらえる音楽で、なおかつ全く知らない人が聞いても感動するという”本物”を生み出していきたいと思っています。

 

中山拓海にとって"本物"とは何ですか?

先ほどの質問の回答にも通じていますが、それが作為的であってはならないと思っています。つまり、音楽家にも、一般人にもわかりやすくするというのが作為的であってはいけないと思っていて。やっぱりアートじゃなきゃいけない。これをやったら、みんなわかるでしょってやりすぎると陳腐になってしまうし、あまりにもにミュージックビジネスになりすぎると、つまらない。

 

音楽という"時間"に対する芸術に対して、プレイヤーとリスナーが瞬間を共有しているからこそリアルな感動が生まれます。そうした共有の時間の中で、偶発的に生まれた音にしか本当の感動や”本物”はないんじゃないかと思っています。偉人がそうであったように、あえてみんなが感動する音を出そうとするなどの邪念がのってしまうと”本物”じゃなくなる。目の前で出した音が、自然とそうなっている瞬間こそが”本物”だと思います。

 

”本物"を生み出すためには何が必要だと思いますか?

人間を磨いたり、いろんな経験をして感受性を豊かにしていくってことが大事なんじゃないかなと思います。

 

最後に、日本ならではのカルチャーや感受性ってあると思いますか?

良さというか、日本人ならではの性格もあると思うんですけど、おとなしくじっくり聞いている方が多いと思います。なのでパフォーマンスを行う側としては、いい意味でも悪い意味でも、もっとリアクションが欲しい瞬間があります。例えば、アメリカのライブ映像とかを見ていると、Yeah~とかHoo~みたいな歓声が聴こえてくる一方で、日本は少し受動的なリスナーが多いのかなと。

やはり文化レベルや、感受性を育てたい気持ちがあるで、そう言った瞬間をパフォーマーとしてもっと生み出していきたいと思っています。

あと、日本人ならではのジャズというものがあるはずだと思っていて、「 僕らがアメリカ人の寿司職人を見る感覚で日本人のジャズミュージシャンはアメリカ人から見られている 」ってある人がいっていたんですが、その通りだと思います。その上で、アメリカ人からカリフォルニアロールが生まれたように、僕ら日本人にしかできない何かがあると思うんです。そういった音楽と、ジャズ喫茶をはじめとする日本のジャズリスナー文化とを世界に発信していけたらいいなと思います。

 

中山拓海(Sax Soloist / Jazz artist)

1992年静岡県富士市に生まれる。国立音楽大学首席卒業。矢田部賞受賞。これまでに秋吉敏子氏、山下洋輔氏、小曽根真氏等と共演。早稲田大学ハイソサエティー・オーケストラにてリード・アルトサックスを務め、山野ビッグバンド・ジャズ・コンテスト最優秀賞を2年連続受賞、並びに最優秀ソリスト賞受賞。多国籍ジャズ・オーケストラ”Asian Youth Jazz Orchestra”にてコンサートマスターを務め、ASEAN5ヶ国と日本にてコンサートツアーを行う。

もっと詳しく読む

 

Live House: Absolute Blue (http://absol.blue)

池袋駅西口徒歩1分。New York帰りの女性オーナーが厳選する上質なライブ音楽をお届けするライブハウス。

日野JINO賢二(b)、そうる透(dr)、ハクエイ・キム(p)、原田喧太(g)、ただすけ(p/key)、ケイ・赤城(p)、花*花 等、

ジャンルを問わず、日本トップクラスのミュージシャン達が連日出演。話題のミュージックスポットです。