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011+ GOMESS

自閉症と共に生きるラッパー、GOMESS。

彼が織り成すサウンドのルーツ、考えはどこにあるのか。

GOMESSに訊く音楽観のあれこれ 〜後編〜

#GOMESSマインド #ラップ #原体験

 

Q: 小五の時、音楽に熱中したのはなぜですか?

GOMESS: 当時、僕はゲームを作ろうとしていて。

RPGツクールっていう、ゲームが作れるゲームソフトがあったのでそれで。ゲームが好きだったんですよね。だからその頃はゲームクリエイターになるのが夢で。いざゲームを作ろうってなったら、まずドット絵を描いてBGMも作って、って全部自分でやろうとして。

それが最初のきっかけなのかな。音楽を作ったのは。そうして音楽に興味を持ったタイミングで、当時遊んでいたゲームの主題歌を歌っていたUVERworldにどハマりして。それでゲーム音楽だけじゃなくて、バンドとかHIPHOPとか、いろんな音楽に関心を持つようになりました。

 

Q: ゲームが最初のきっかけだったんですね。

GOMESS: そうですね、ドット絵はすぐに飽きて、気づいたらゲーム制作も放棄して、音楽だけを作ってました。

BGMが面白いと思って、最初に作ったのは”煌めき”という曲なんですけど、どうしてそんな題にしたんだったかな・・・(笑)

ジャンルも謎だし、ただゲームが好きだっただけだから音楽の知識なんて無いですからね。

そういえば初めての作曲も、ゲームの中の機能を使ってやりました。

大合奏バンドブラザーズっていうニンテンドーDSの音楽ゲームがあるんですけど、

自分で楽譜を入力できるモードがあって、作った楽譜で遊べるっていうゲームなんですけど、それで。

Music Sneak:ゲームで音楽を作ったのが原体験なんですね。

GOMESS: 最初はゲームからでしたね。最初の曲を完成させるにあたって、パソコンのフリーソフトも扱い始めるんですけど、それからもずっとデモまではゲームで作ってました。

ゲームで作るっていうと近代的でデジタルなイメージが強いですけど、五線譜とにらめっこして作っていたので、割とアナログ的というか基礎的なところから学んでいた気もします。

”音楽といえば五線譜!”みたいな感じで、漠然としたイメージで作っていました。

コードとかスケールとか何それ?って、とにかく音符並べればいいでしょって。(笑)

 

Q: 完全に、音楽は独学だったのですか?

GOMESS: そうですね、何事も人に習うのは嫌いだったし、そもそも家に引きこもっていて誰ともコミュニケーションを取ってなかったから。

作曲を始めたってお父さんに言ったら、ハードオフで安く売ってたキーボードを買ってくれて、中古で2000円の光るおもちゃみたいなやつ。

それでハーモニーの感覚とか、気持ちいいメロディの運び方みたいな、自分なりに模索して、少しは進歩があったのかな。

Q: ゆくゆくは、ゲーム音楽に活動をシフトしていきたいのですか?

GOMESS: ゲームの音楽、いつかやりたいですよ。どういう形になるのかまだ検討もつかないですが、小さい頃からの夢なので。喜ばせたいですね、当時の少年を。

 

Q: GOMESSゲームを作るってことですか?

GOMESS: ゲームの内容は拘らないです。オールジャンル大体好きなので。

主題歌を歌うのでもいいし、もし自分の曲がサウンドトラックに収録されて、制作チームに自分の名前が載ったら、泣いちゃうな。絶対。うん、泣く。

高校生の時の進路も、ゲーム会社を考えていたんですよ。

フリーランスで活動することも考えたり、インターネットで情報収集できる時代だから色々調べたりして。

とにかくゲームに携わりたかったし、その思いは今も変わらないです。

Q: 今の活動が、かつてそれほどに熱中していたゲーム音楽作りとは違うのはなぜですか?

GOMESS: ラッパーですからね、今の僕は。でも意外と共通点はあると思うんですよ。

僕は景色が見える音楽が好きで、いつも瞼の裏側で景色を思い浮かべて作ってます。それは今の詩を書く時も、当時の作曲の時も変わらずそうです。

ゲームは画面の中に景色があって、そのために音楽が鳴るから。そういうところかな。音楽で景色を想像できるのは不思議だし、楽しい。ゲームは景色との親密度がとても高いから好きだな。

今している活動だと、feat.GOMESSのようなミュージシャン同士でコラボレーションをする時とかも少し感覚が似てるかも。他者から景色を見させられて、自分もその景色を一緒に描く、みたいな感じで。

Q: 他の方とコラボするとき、GOMESSさんは自身としてどんなスタンスで臨んでいますか?

GOMESS: 自分らしくあるのみです。例えば仕事の種類とか、音楽のジャンルとかは全く影響がなくて、たとえどんな格好をしてどんな言葉を歌っても、自分は自分だから。自分を見失わないようにしっかりと自覚していれば、ブレたりはしないだろうと。

共演する時は、自分よりも相手のことが気になるかも。

例えば歌がめちゃくちゃ上手だったり、有名な人だったり、その誰かと一緒に音楽を作りたい理由って色々あると思うんですけど、一番大切にしたいのは、この人とこの人がなぜここにいるのか、というところ。

しっかり定義付けないと、じゃあその人じゃなくてもよくない?って。いやこの人じゃなきゃダメなんです、って言える相手とやらないと、ありふれたつまらない曲が出来てしまうと思うから。

後付けでもいいから、とにかくこの人とやることに意味があったと胸を張って言える人としかやらないですね。

例えば仕事で、オファーが来た時は特別意味を感じない相手だとしても、制作が終わるまでには、意味があったと言える相手にします。

それは相手のポテンシャルの問題だけじゃなくて、自分次第であると思うので。

Q: ラッパーのコミュニティーについてどう思いますか。

GOMESS: 最近はとにかく広くなりましたよね。バリエーションが増えた。例えばサイファーだったら、サイファーにも色々あって。

最近流行ってるのは、どこどこで何週何曜日の何時からやりますって誰かが決めて、Twitterとかで告知してて誰でも歓迎、みたいな。僕はそういうのを部活型って呼んでるんですけど。

僕がやってたのはそうじゃなくて、近所に住んでる友達に電話して、”今暇?”って。暇だったら駅前で落ち合って即フリースタイルみたいな。暇じゃないなら、じゃあこのまま受話器越しにやろうぜみたいな。そうやってラップしてたら、知らない人が”お~何やってんだよYo Yo”みたいな感じで入ってきちゃって、誰?ってラップで訊いて、次の返答で友達の友達って事が分かって握手交わしちゃうみたいな。それも全部ラップで会話してて、そういう感じ。

やると決めてやるんじゃなくて、喋るのと同じくらいとても自然な行動としてラップをしたいから、サイファーもそういう感じが好きだな。バトルみたいな競技にもなるけど、コミュニケーションがそのまま音楽になっていく感じがフリースタイルの魅力だと思うから、僕もラッパーとしてそういう一面を伝えていきたいな。

Q: GOMESSさんにとって、ラップが持つパワー(魅力)とは何だと思いますか。

GOMESS: それは多分、日常の話言葉に最も近い形で音楽ができるというところかな。

例えば歌だったり、楽器だったりを用いて言葉を音楽に変換するのとは勝手が全然違くて、僕らの話言葉って、歌と比べるとどうしても早口になりがちじゃないですか。でもさ、ラップは早口なのが常だから。(笑) 

話すテンポを変えることなく、そのままリズムに乗せることでラップ化できる。

それだから気持ちだったり、細かい心象風景を生の感触のまま伝えることができる音楽だなって。

日本語の詩はとても繊細な成り立ちだから、ラップとの相性が良いと思うし、まあそんな小難しい話は抜きにして、単純に、響く音楽なのかなって。僕もラップしてる時の方が、感情表現が上手に出来ている気がしますよ。(笑)


◼︎GOMESS (Twitter)

1994年生まれ、静岡出身。第2回高校生ラップ選手権準優勝。
自閉症と共に生きるラッパーとして注目を集め、自身の生き様を歌った楽曲「人間失格」「LIFE」は彼にしかできない表現として各所で評価される。NHKEテレでは「ハートネットTV :ブレイクスルー File.21」で特集され、ラップに向き合う姿勢、リアルな日常が切り取られて視聴者に衝撃を与えた。

また、中原中也の詩「盲目の秋」を朗読カバー、中原中也記念館で楽曲展示されるなど、スポークンワードの才能も発揮する。
2015年、民謡を唄う朝倉さやとのコラボ楽曲「RiverBoatSong」を収録したのアルバム「River Boat
Song-FutureTrax-」が第57回日本レコード大賞企画賞を受賞するなど、ジャンルを超えた数多くの表現者との交流/共演を多くこなし、GOMESSは新しいカルチャーとして確立し始めている。

<<GOMESS YOUTUBE>> 

2017年7月7日(金)

ポエトリーフェス「SPOKEN WORD BOY」

会場:東京都 恵比寿 Time Out Cafe(恵比寿リキッドルーム内2F)

時間:開場 18:30 / 開演 19:00 / 終演 22:30

チケット料金:前売 2,000円 / 当日 2,500円

※入場時に別途2ドリンク代が必要となります。

-出演-

toto × 岡本学志(gt.) / 狐火 / GOMESS / 合田口洸 / 観音クリエイション / マサキオンザマイク / motif / ろはに / …and more

不可思議/wonderboy(ライブ映像上映)

<<イベント公式HP>>

 

Video & Photo by Junichi Yano